とりのみあし

日々のこと、好きなこと

半分は優しさで出来てますか

山崎ナオコーラさんの小説「人のセックスを笑うな」に収録された「虫歯と優しさ」という短編がすごく好きだ

 

トランスジェンダーの主人公は2年付き合った彼氏とお別れするんだけど、その時に言う科白がもう突き刺さる

 

「私は伊東さんが頭が良いから好きだったんじゃないよ。冷蔵庫に歯磨き粉を入れているところが、本当に好きだったんだよ」

 

人を好きになる、っていうことをズバリと表してるなと思った

 

昔、くっついては離れ、だった彼のことを私はとても好きだったけど彼は私が思うほどには私を好きじゃなかった気がして、別れる時にこの本を渡す、という遠回しな文系嫌がらせをしたことがある笑

 

数年前に大好きだった年上の彼に、話す時によく首を傾げるね、と言われた。見ててくれてるのがなんだが嬉しかった。首を傾げてしまうのは好きな人に無意識にしてしまう行動みたい笑

 

おでこコツンとか鼻をギュッとしてきたりとか愛情表現の方法が絶妙な人で、とても好きだったな、と今改めて思う

 

今、恋愛の手前の部分で、訳わからないことになってる私からしたら、盲目的に相手を好きになったあの頃の感覚が懐かしい